鳳仙圭の号令と共に、呪術によって支配されたアケミが、雪之絵真紀の前に躍り出た。
アケミは、通常時よりも若干力は増しているものの、それでも雪之絵真紀と互角に戦えるレベルでは無いと誰もが解っている。
勿論、それは鳳仙圭も承知しており、アケミに雪之絵真紀を倒させようなどとは、爪の先程も考えてはいない。 鳳仙圭の目論見は、別の所にある。
「よし!」「よし!
呪術で己を強化する、鳳仙圭の切り札。 雪之絵真紀には通用しなかったものの、娘の命になら勝てると考えたのだ。