クレイモア

屑男 撲滅抹殺委員会!

−前へ歩く−


「いや、全て予想通りだったよ。」

 なにやら、鳳仙圭が自慢し始めた。

 おそらく、無事に逃げたと思っていたアケミが、再び操り人形として此処に居る事を語っているのだろう。

 鳳仙の呪術は、どんなに離れていても、特定の人間を操る事が出来る。 アケミは皇金と一緒の時に、鳳仙圭に操られた。 

 その時の皇金の様子も、笑いながら自慢気に語っている。

 しかし、雪之絵真紀や命は勿論の事、貴時も、『他人』になど構っている余裕は無かった。

 三人が、鳳仙圭の言葉に耳を傾けたのは、話が自分達の事に移った後である。

「...しかし娘さん。君は、あたり前の様に泣いているが、」

「果たして、泣く資格が君にあるのかな?」

「!?」

「アケミから聞いたよ!君は父親を罵り、その場から逃げ出したそうじゃないか!!」

「悪霊に操られていようが、トドメを誰が刺そうが関係ない!」

「その幼稚で軽率な行動が無ければ!」

いつは、

「そいつは死なずに済んだんだよ!!」

「鳳仙圭...」

「私はね、」

こんなに、誰かを怨んだのは、初めてよ。

 「...命、いい?」

「京次の死は、全部ヤツ等に原因がある。」

 「命、解るわね?」

「常に私が正しいのよ。」

ドゴン

 命が黒い瞳になる前、鳳仙圭は、雪之絵真紀に恥をかかされ逃げ出した。

 拍手しながら登場したのも、命を傷付けて雪之絵を怒らせたのも、先程と同じ状況を作り出し、その上で借りを返したいという一念からだ。

 当然ながら、この状況は鳳仙圭の望み通りである。


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