クレイモア

屑男 撲滅抹殺委員会!

−前へ歩く−


 力なく座り込んだ貴時とは違い、命は未練がましく倒れた京次の体をゆすり続ける。

 しかし、その行為は、いずれ訪れる皆月京次の死を強く意識する結果にしかならなかった。

 普段、何かとベタベタと触った京次の体は、弾力と硬さの両方を備えていた。しかし、今は切れたゴム紐のように弛み緩んでいる。

「う...」

 嗚咽とともに手が止まりかけた命だったが、一層力を込めて京次の体を揺する。

 今まで、命の呼びかけに京次が答えなかった事は一度も無い。 

 命が構って欲しい時、京次に無視された事は一度も無い。

 そんな、これまでの経験を拠り所に、ひたすら京次の体を揺すり続ける。

しかし、京次の体に力が戻る事は無く、二度目の嗚咽と共に命の手は止まった。

「うっ...」

パチ、パチ、パチ、パチ、パチ、

パチ、パチ、パチ、パチ、パチ、

パチ、パチ、パチ、パチ、パチ、

「笑える喜劇だ。」

クレイモア

屑男 撲滅抹殺委員会!

−前へ歩く−

(その二十三)


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