ダッ
円盤型刃物は、与えうる最大のスピードと回転を与えれば、人間など簡単に斬殺できる。
ビッ
トカレフの弾丸をも避けた『黒い瞳』が、円盤型刃物にスピード負けするなどありえない事だ。 だからこそ、アケミは、『黒い瞳』が円盤をその手で受け止める事に賭けた。
円盤を放つ時、わざと手を深く切り、たらふく血を塗っておいたのだ。
『黒い瞳』に纏わりつく三匹の怨霊が動き出す。
しかし、『黒い瞳』本体は兎も角、怨霊の動きは、それ程速いとは感じなかった。