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クレイモア

屑男 撲滅抹殺委員会!

−前へ歩く−

 トン、トン、トン、トン、トン、

 ちん、ちん、ちん、ちん、ちん、

 軽快とは言えないが、一応整った包丁を使う音が台所に響く。  怪我した左手を庇いながらの料理にしては、中々の手際と言えるだろう。

 満足に生活出来る程体調の整った自分に満足した皆月京次は、再び包丁を使う。

 トン、トン、トン、トン、トン、

 ちん、ちん、ちん、ちん、ちん、

「......」

トン、トン、トン、トン、トン、

  ちん、ちん、ちん、ちん、ちん、

「サラ!その催促の仕方は止めてくれ!」 

ちん、ちん、ちん、

「腹減った、何でもいいから食べさせろ。」

「だからって、直接催促するのも止めてくれ。」

 とりあえず、冷蔵庫の中からチーズを与え、再び料理に取り掛かる京次。

「パパーっちょっといいー?」

 玄関から命の間延びした声が聞こえて来た。

 京次は今、夕食の準備の最中だ。 命が学校から帰ってくる何時もの時間である。

「命、おかえり。」

「へへーっ、ただいまっパパ。」

「それより、タケ子が泊りに来たいって言うんだけど、いいかな?」

「ん?」 京次が料理中の腕を休めて振り返る。

「ホラ、私がタケ子の所へ行くのは駄目って言ってたから。 その逆なら良いのかなって思って。」

「ああ、そうだな、それなら問題ないか。」

 少しだけ考えてみたが、特に問題は無いと認めた京次があっさりと答えた。 いや、問題ないどころか、詩女が来る今日、タケ子に命の相手をしてもらえるなら大歓迎だ。

「そっか、良かったっ。 タケ子一旦寮に戻ってから来るって言ってたから...」

 この時、ピンホーンとチャイムが鳴った。 続いて聞こえる「ゴメンくださーい。」との女の子の声。

 京次も聞いた事がある。間違いなくタケ子の声だ。

「早っ、もう来た。パパがオッケーだって!上がっておいでよ!!」

 命の言葉の後、程なくしてオシャレしたタケ子が現れた。

「こんにちはー、お邪魔します。

う!?」

「ああ、」 命が、今更思い出して手をポンと叩く。

 タケ子は、サラが学校に攻め込んだ時に被害を受けた当事者である。 サラとの生活に馴染んでいた命は、すっかり忘れていた。

「何でこの女がここに居るのよ!!」

「待ってくれ。これには深い事情があるんだ!」

原因は、全てコイツ。


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