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クレイモア

屑男 撲滅抹殺委員会!

−前へ歩く−

 貴時を見ていたアケミが、思わず身震いする。

 殺気というものに敏感なアケミだからこそ解る。 まだまだ幼さの残る容姿だが、その視線の冷たさは尋常ではない。

 今現在の皆月京次に、実によく似ている。

「今の爆発音を聞いてもらった通り、この屋敷を囲う塀の至る所に、爆薬を仕掛けさせてもらった。」

 「どうせ、親父や命姉さんの母親に恐れをなして、逃げ出すつもりだったのだろうが、爆死したくなければ、諦めろ。」

『馬鹿な。 お前のような子供が、どこから爆薬など調達して来たというんだ?』

 アケミと違い、殺気に対して疎い鳳仙圭が、馬鹿にして笑って見せたが、貴時は、同じく馬鹿にした笑みを浮かべて、自分の後ろを親指で指して見せた。

「コイツ等の協力のおかげでね。 爆薬の調達も、仕掛けるのも、実に容易かったよ。」

『!!』

『み、みんな!!』

 一人だけ、京次にしか解らない人物が立っているが、それ以外はアケミの叫び通り、全員、陸刀家のヒットマン達である。

 高森夕矢の視線の先には、

命に顎を砕かれて重症のはずの皇金までもがいた。

「鳳仙圭とか言ったか? お前は、皆月京次と雪之絵真紀をおびき寄せて、檻の中に閉じ込めたつもりだったのだろうが、それは違う。」

「特効薬の無い、性悪なウィルスを、自分の体内に入れちまったようなモンだ。」

「命を丁重に扱えよ?」

「お前への処遇は、それによってのみ、決るのだからな!」


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