鳳仙圭が手を離すと、命はゴトリと音を立てて床に転がる。 丁度、足元にある頭を踏みつけると、命は唸るような悲鳴を上げた。
辺りには、殴られた時に折れてしまった歯が、何本か散らばっていた。
『とにかく、大事な人質は、この通り俺の手にあるんだ。 真紀姉さんも、そっちのオマケも、俺の言う通りにしてもらうよ?』
目を真っ赤に染めながら、鳳仙圭の行動を見続ける雪之絵真紀。 腕組みをする手は、自分の腕を、力一杯握っていた。
「私が戦った中で、五番目と四番目に強い相手。」