「はぁっ、ああっあうん...」
刺激に堪えようと力む度に、股間から愛液が溢れ出ているのが、自分でも解る。
アケミは、ここに来て焦り始めていた。
余裕を持って、股間を舐めさせていたアケミだったが、思いがけず上手な命の舌使いに、今や気を抜けば何時でもイケる状態になっている。
それに比べ、 身を捩りながら快感を堪える命は、随分も前から、息絶え絶えになっているくせに、今だ絶頂を迎える気配は無い。
皆月京次に、散々イカされた記憶がよみがえる。
しかし、雪之絵命は男の経験もない小娘なのだ。当然、そんな子供に先にイカされるなどプライドが許さない。
「...ねぇ、命ちゃん? 別に我慢する必要ないのよ? イキたかったら、イッても...」
「イけない...」
「え?」
「まだ、パパの味しないもん。 パパを感じなければ、私は絶対イかない。」
男達に恥辱される度に、『皆月京次以外の男にエクスタシーを感じたくない。』そう思っていた。 しかし、その願いは一度も適うことは無かった。
それをアケミは、『生理現象なのだから、誰でもそうなってしまうのだ。 絶対に京次への愛情が足りないのでは無い。』と信じていた。
「でも命ちゃん、京ちゃんを大嫌いだって叫んだじゃないっ。」
「父親なんていらない。 でも私は、パパを父親として見たことなんてないもん。 今更、父親として見ることなんで出来ないっ。」
思わず上体を反らしたアケミは、声にならない悲鳴を上げた。
負けじと、命の股間を責める為に身を屈めたが、震える唇と舌は言う事を聞かない。
「いゃっ、いや! 負ける...また負けちゃう! 私っ、誰にも勝てないじゃないっっ!」
そんな絶望的な告白など、命はまったく意に返す事なく、全身全霊を舌と唇に込めて、相手の股間をこね回す。
ガクガクガクと全身を痙攣させながら、我慢するアケミ。
摩擦を減らしたいのか、今まで以上に愛液が溢れ出すが、命は、ずるずると音を立てて吸い尽くして行く。 その後、必ず聞こえるゴクゴクという喉を鳴らす音。
アケミは、水の様に自分の愛液を飲み込む命の姿を想像して、更に興奮の度合いを高めていく。
「ああ...いやっ、ああっ!」
痙攣が時間と共に激しくなり、それに伴い喘ぎ声も大きくなった。 悲壮感すら感じるその喘ぎ声は、命は聞き覚えがあった。
タケ子を、無理矢理イカせた時、何時もこんな声を上げていた。
「いっ、いいっ、ああっ!」
瞬間的に全ての筋肉が硬直し、ビクンと跳ね上がる。 快感が、体の許容範囲を超えて起きる現象。
この瞬間だけは、我を忘れ、プライドもかなぐり捨てた。
「きよ、京ちゃん...」
絶頂の喜びに打ち震えて、思わず口に出した男の名前。 しかし、その自分の言葉の為に我に返ったアケミは、絶頂の後の素敵な余韻が、逆に辛いかった。
今にも崩れ落ちそうな体を、両腕で支えながらうな垂れるアケミ。
誰にも、何でも勝てない自分を思い知る。
そして何より、好きでもない相手にイカされてしまった自分。 命曰く、京次へ対する愛情の優劣。
呆然自失のアケミの膣を、命の舌は、今だ京次の精子を探して蠢いていた。