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クレイモア

屑男 撲滅抹殺委員会!

−前へ歩く−

 ダメージの為、息も絶え絶えになりながら、やっとの思いで脱ぎ落とした黒と紫のターバン。

 エデン母は、自分の顔を見た皆月京次が余裕を無くし、取り乱すものと考えていたが、予想に反して、京次は無言無表情を貫いた。

「今は大丈夫でも、時間を掛けて、ジワジワと体を蝕んで行きますわ。」

 ひたすら冷めた目で見続ける京次に対し、エデン母が言葉によって探りを入れてみるが、京次は眉一つ動かさない。

「...やっぱり、私の唇を奪う気にはなれませんわね。」

「では、解毒剤は私一人が頂きますわ。」

グン

「!!」

 ぶつかり合う、乱暴で強引な口付け。

 あまりに突然で呆然とするエデン母の唇を、京次の舌が乱暴に嘗め回す。

 完全に口紅を削ぎ落とし自分の物とした京次は、次には、エデン母の唾液を吸引した。

 力ずくで唾液を奪われる感覚に息苦しさを感じ、京次から離れようと試みてはみたが、両腕の破壊された今の状態では、それもうまく行かない。

 身悶えていたエデン母が、睨み付ける為に眼の焦点を合わすと、そこには、京次の真っ直ぐな眼があった。

「!」

 口付けの最中ながら、京次は目を閉じていない。 これ以上近くのない場所で、自分の傷痕を見られている。

 以前に唇を吸われた時にも覚えた、傷痕を見られる恐怖。

 それを認識した途端に体を震わせ、きつく目を閉じた。

 京次は、変わらず唾液を奪い続ける。

 エデン母は、京次が自ら離れるのをひたすら待ち続けた。

 結局京次は、エデン母から口紅を完全に奪った後、捨てるように開放した。

 ヨロケて尻餅を付くエデン母。

 続いて、頭の上に愛用のターバンがのせられる。

「?」

「...まったく。 見せたくも無い傷跡まで晒して、演技しやがって。」

「今回は、その口紅が毒薬なのだろう?」


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