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「命、自己紹介を。」 京次は、何故か満面の笑みを浮かべている雪之絵命に、挨拶をするよう促す。
考えてみたら、君寧明人も雪之絵真紀との因縁に少なからず関わった一人なのだが、娘の命と顔を合わすのは、今日が初めてだ。
ソファーからズリ落ちそうになっている君寧明人に、京次が両手を合わせて誤る。 まあ、命の言葉が、京次から離れたくなくて出て来た言葉なのは、君寧明人も良く解っている。
「えー、では、君の名前は?」
流石、君寧明人は人間が出来ている。 命の礼儀知らずな言葉を気にする様子もなく、笑顔でもう一方の女の子に問い掛ける。
「サラ メロウ」
君寧明人は、待ち合い室から廊下へと、京次を呼び出した。