,り
『お恵みを、』『お恵みを』『お恵みを』
「君、この国は、どうなっているのだ? 」
「......」
「この国が貧しい事は知っているし、その為に物乞いが多い事も知っている。 しかし何故、腕や足のない物乞いばかりなのだ?」
ラフな格好の紳士が、添乗員らしき男に尋ねる。
二人の紳士の姿は、周りの風景からは、あまりに浮いていて、二人とも別の国の人間である事が解る。
仕事なのか、それとも観光なのか。 とにかく身なりから、それなりに裕福な育ちであるのは間違いない。