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屑男 撲滅委員会!

−ブラック・アイズ−

 雪之絵命を狙った陸刀家のヒットマンが、学校に奇襲をしかけてから、早一週間。 京次と命は、怪我をした高森夕矢を尋ねて、病院へとやって来た。

 怪我の為、入院していた高森夕矢は、今日退院する。

 高森は父子家庭で、仕事で手が離せない父親の代わりに、京次と命が手伝いにやって来たのだ。

 増築に増築を重ねて、かつて医院から病院の名前に変わったこの町立病院。 医者の数も看護婦の数も、慢性的に足りないのはどこも同じらしく、みんな忙しなく動き回っている。

 そんな中、京次と命は、二人とも部屋の番号を一つ一つ眺めながら、ゆっくりと進む。

 病院だけあって、壁も天井も白に統一してあり、部屋の番号を確認しながらでないと、すぐに迷子になってしまうのだ。

 京次も命も高森に会うのは、学校に奇襲を受けた日以来、初めてである。

 これまでお見舞いに来なかったのは、高森自身が、『情けない自分の姿を見られたくない。』と言ったからであって、京次と命が冷たい訳ではない。

「あ、あったよっ。高森の部屋。」 ミニスカートをなびかせて、命がドアの上にあるプレートを指差した。

「本当だ。」

 京次は、そのプレートに”高森夕矢”の名前が書かれているのを確認した後、コンコン、とノックをする。

『はい、どうぞ。開いてます。』 続いて聞こえて来た高森の声。

 気軽に扉を開けようとした京次の動きがピタリと止まる。

「パパ?どしたの?」

 不思議そうに、命が見ている京次の横顔は、かなり真剣だった。

 高森が、一週間前の事件で、陸刀家のヒットマンに一方的にやられた事は京次も知っている。 今、ドアの向こうから聞こえた声は、普通だったが、心の底では落ち込んでいるに違いない。

「命、なるべく明るく行くぞ!」

「...んっ!」

 二人、気合を入れて扉を開けた。

「よっ、高森っ、久しぶりだな!」

「高森ーっ、私、パパとキスしちゃったーーっ!」

ばんっ

「み、命、おまえ何言い出すんだっ。」

「え?だって、なるべく明るく行こうって、パパ言ったよ?」

「ゆーか、何で、ここで俺とキスした話が出て来るんだよ。」

「!?」

「そこのグドンのエサ、ちょい顔貸せや。」

 

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−ブラック・アイズ−

第三話、 問題の答  (その一)


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