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屑男 撲滅委員会!

−ブラック・アイズ−

 命のキスを最後に、絶頂を迎えたタケ子は、体中を痙攣させた後、ベットの上に力なく転がる。 潮を吹いた股間は完全にスカートを変色させていた。 その量から命は『絶対、オシッコお洩らしした。』と、その後ずっと思う事になる。

 もっとも、命も人の事言えない。

 膣に指を入れられたおかげで、愛液の流れる通り道が開いてまい。 その後止めなく流れ続けている。

 タケ子がイった今でも、指は命の中に入ったままだ。

「......」

「んっ!」

じゅる、

 恍惚とした表情のタケ子を、物足りな気にモジモジしながら命が見る。

 命はまだ絶頂を迎えていない。

 でもまあ、『元々、侵入者に辱めを受けたタケ子の傷を癒そうと始めた行為。 命自身がイク、イカないは二の次である。』 そう思う事で、命は欲求不満を我慢する。

 命が自分自身を調べて見ると、完全にブルマーは濡れきっているものの、元が紺色なので、相当注意してみないと解りそうもない。

「これならまあ...歩くだけなら、平気かな?」

 『さて、これからどうしょうか...』タケ子との秘め事の為に、完全に目が覚めてしまった命が考え込んでていると、保健室の扉をノックする音が聞こえた。

 そして、世界で一番聞き覚えのある声も。

「命、入るぞ?」

「パパ!?」

 素っ頓狂な声を上げて飛び起きた命は、タケ子と乱れた時に床に落とした掛け布団を拾い上げ、投げ網漁よろしくタケ子の体を布団で覆い隠す。

「ふぇ?」 タケ子が情けない声を上げて、痴呆と間違われそうな顔を持ち上げる。

「パパが来たの!!オシッコ洩らしたの見られたくないでしょう!?」

 命の言葉に意識を覚醒させられたタケ子が、『これはオシッコじゃない!』とツッコミ入れる前に、命のパパ、皆月 京次が入ってきた。

「命、大丈夫なのか?」 体を起こしている命を見て、京次が心底心配そうな顔で声を掛ける。

 命は、ベットから下りると自分の足でてくてくと歩いて行き、京次の側で止まる。 この行動は、京次をこれ以上、タケ子と愛液の染み付いたベットに近づけない為だ。

 皆月 京次が女慣れしているのを、命はよく分かっている。秘め事の後の女の汗の匂いも、愛液の匂いも、京次ならソレと気が付きかねない。

 命自身も、おっかなびっくりである。

 だが、一方の京次はかなり焦っている為か、そんな事とは知らずに命の体を抱きしめた。

「良かった。本当に無事なんだな。」

 京次は、学校でどんな事があったのか、命がどんな目にあったのか、既に聞いて知っているらしい。

「ん、平気、ありがと」

「雪之絵 命さん、今日は早退していいですから。 お父さんに迎えに来ていただいたんですよ?」

 心地よさを全身で味わっている命の耳に、知らない女の声が聞こえた。

 声のした方を見て見ると、白い服着た知らないオバサンが立っている。 でも着ている物で何者かは分かる。 保険の女医さんだ。

 長い黒髪を後ろで束ね、眼鏡を掛けた、見るからに女医である。

「そう言う事だ。 今日はこのまま帰ろう。 タケ子ちゃんどうする?キミも一緒に帰るかい?」

「陸刀さん、あなたも今日は早退していいですよ。」

 京次は今日、車で来ている。 タケ子一人送るぐらいなんでもない。

「いっいえっ、いいですっ少し気分悪いから、休んで帰ります!!」 布団を頭から被って、ひっくり返った声を上げる。

「わ、私も、その方がいいと思うなー...」 京次に悟られるのを恐れながら、命も作り笑いを浮かべて同意する。

 京次と保険の女医は、きょとんとお互いの顔を見合わせた。

「それなら、まあ。 タケ子ちゃん、お大事にな? 何かあったら俺の事頼っていいからな?」 京次はタケ子が、寮で一人暮らしなのを知っている。

「それでは、皆月さん、コレを。」女医さんが、白い紙袋を差し出した。

「それじゃ...」 京次は、挨拶をしながら、女医さんからその紙袋を受け取る。 中身は洗濯した命の学生服と下着だ。

「命、歩けるか? おんぶしようか?」

「平気、自分で歩けるよっ。」  珍しく、京次の申し出を命が断る。 ただし、これは遠慮ではなく、おんぶや抱き上げられる事によって、ブルマーが湿っているのを知られたくないだけだ。

「そうか?それじゃ帰ろう。 タケ子ちゃんお大事にな。先生も、お世話になりました。」

 京次は、命と一緒に深々と頭を下げた後、手を繋いで歩き出す。

「あ、命?」

「またね、」

「...ん、」

『またね』、その意味を、命がちゃんと理解した上での答えだと言う事は、その表情がはっきりと示していた。


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