,り

屑男 撲滅委員会!

−ブラック・アイズ−

「アケミさん、私、タケ子を操るなんて事、本当はしたくないです。」

「鳳仙家のあんたが、そんな事言う資格あると思っているの?」

「ご、ごめんなさい。」

 俯いて小さくなったカズ子を見て、陸刀アケミは、キツイ事を言ったのを後悔する。

 そう、別にタケ子...陸刀加渓が、”鳳仙家の操り人形”として、カズ子に遣わされたのは、カズ子自身の所為ではない。

 元々鳳仙と陸刀の関係は、主と従。 そんな中、操り人形にされるタケ子を哀れに思い、雪之絵の呪いを含めた一連の事実を教えていないだけだ。

 知らない内に操られ、知らない内に終わっていれば、タケ子は傷つかなくてすむ。

「いいわ、別にアンタの所為じゃないものね。 それより早い所、加渓(タケ子の事)の意識を完全に掌握出来るようになりなさい。」

 カズ子は、アケミの言葉にコクリと肯いた。

 アケミの言うように、まだカズ子はタケ子の意識を、完全にコントロールは出来ない。

 出来る事と言えば、今回、命の体を求めた様に、タケ子が、やりたいと思っている事を、精々後押しするぐらいだ。

 完全にタケ子の意識をコントロール出来れば、全然気が付かないうちに、タケ子を好きなように動かし、使える。

タケ子を完璧な操り人形として、カズ子の思いのままに動かせる。

 カズ子自身が、それを望んでいる訳ではないが。 実はタケ子は陸刀の中では、良い方なのである。

 カズ子が、まだ女だから良い。 もしカズ子が男だったとしよう。 男が女を好き勝手に操れたら、女の末路がどれほど哀れな物か、

 それは、今もって鳳仙の操り人形である陸刀アケミが、身を持って証明している。

「あっ、」

 カズ子がいきなり今の雰囲気に合わない、声を上げた。

「何?」

「いえ...タケ子が...。」

 カズ子の持つ水晶に写っているタケ子は、保健室のベットから起きだして、ノコノコと歩き出した。

 何事だろう?そう思って見ていると、タケ子はおもむろに、隣のベットの布団の中に手を突っ込んだ。

 そうだった。隣のベットの布団の中に汚れたパンツ隠していたのだ。


前へ、   次へ、