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屑男 撲滅委員会!

−ブラック・アイズ−

 『自分と雪之絵は、お互いを他の誰よりもよく解している。』

 京次が過去にも思った事だが、今この場所に現れた雪之絵真紀を見て、改めてそう思う。

『京次、一勝負しない?』

 十七年前の同じ季節に、雪之絵真紀から申し込まれた最後の勝負。

『こんな風に締めくくるのも、私達らしいと思わない?』

 まったく同感だった雪之絵真紀の言葉。

 勝負、対決、そんな言葉では生温い。

暴力こそが、二人の決着には相応しい。

叩き付けられなかっただけ、有り難く思いなさい。』

結果は、情けまで掛けられた、京次の圧倒的な敗北。

 今更、過去の事など恨んではいないし、その時の決着に文句がある訳でもない。

 それに、二人が今日ここで会った理由は、娘の命の事を話す為であるのも解っている。

 しかし再び相見えた今、現在の二人の内どちらが強いのか、それを確かめる事こそ最優先事項だ。

二人には、再会すらも、暴力が相応しい。

「そんな事、言われるまでもなく解っているよな? 雪之絵。」


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