クレイモア SSS

屑男・撲滅委員会!

「いつからそこに...」

 「ツケて来たんですけどね。」 

 命の友達らしき、後ろの二人が答える。 今は名前を聞く余裕はないから、とりあえず、カズ子とタケ子と呼ぶ事にする。

 人間とは思えない眼で俺を睨み付けて、ワナワナ震えていた命だったが、怒りの矛先を無理矢理、詩女に持って行った。

「あっあんたねーーっ私のパパ誘惑すんなーーーっ!!」

 感情にまかせて食って掛かる命だったが、...詩女の方も感情的になっていた。

「あーら、お情けで私達の部屋においてもらっている身で、随分態度大きいわねぇ。」

 ぴくっ、と体を震わせたのは、命だ。 お互い複雑な関係だが、詩女の方が、立場は強い。

「お、鬼嫁詩女ー...」 命は詩女をこう呼ぶ。

「...なんなのー?あの三角関係の構図は。」

「あー、パパコン命と、鬼嫁の三角関係。 別名、トライアングル肝っ魂。 結構有名よ。」

 カズ子とタケ子が、聞き捨てならない事を言っている。 

 たしかに命と詩女は犬猿の仲だ。 もしかして、俺の知らない所でも、やりあっているのだろうか?

「このーっ!この前は言いくるめられたけど、今日はそうは行かないわっ!!」

「言いくるめられた?なーに言ってるのかしら?私の言う事は全て真実よ。」

 どうやら、そうらしい。偶然会う度に、所構わず口喧嘩しているのだろう。...俺の事で。

「パパわねーっ、私の事メチャクチャ可愛がってくれてるのよーっ!!私を一番大切に思ってくれてるんだからねーーっ!!」

「あーら、可愛がってくれてんの?そりゃー、犬猫なでるのと同じよー。 まあ、そんだけ、懐いてりゃ可愛いわよねぇ。」

「なぁ!?」

「キスしてくれた?」

「うっ」

「SEX出来るの?」

「ううっ」

「京次はねえ!!自分から私にしてくれるのよーーっ!!」

「がーーーーん!!!」

「分かった!?あんたは、捨てられて可哀相だったから家においてやってるだけ!!もしくは、自分の娘である事への義理よ、義理ーーーっ!!」

「ががーーーーん!!!」

「...大人気ないわねー、」

「てゆーかさあ、パパさん止める気ないのかな?」

 カズ子とタケ子が俺を見つめる。

 情けなくも屈辱ながら、俺は目をそらしていた。


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