り
「パパーっ、もう何で一人で入るのー?お風呂なら私も呼んでよーっ。」
行動、表情、そして言葉の全てを使って甘えて来る、雪之絵 命( ゆきのえ みこと )に対し、俺は少しだけ冷めた言葉で返す。
「おいおい、普通は命ぐらいの歳になったら一人で入るモンだぞ?」
まるで、回転しているコインだ。 裏を出したと思ったら、もう元に戻った。
...雪之絵 命(ゆきのえ みこと) ええ、俺自身と、天敵、雪之絵 真紀の娘であります。
俺と、雪之絵 命は、今から四年ほど前から、二人っきりで一緒に暮らしています。
俺と、雪之絵 真紀の一連の事件を知っている方々なら、きっとそう思われるでしょう。
ええ、まったく、その通りです。 俺もそう思います。
本当の所、俺にも何がなんだか判らんのです。
今から四年前、