かってに兄ぃ


不公平 感じませんか? (2)




兄ぃ 「という訳で、妹萌え根絶の為、街へとやって来たのです」
あたし 「で、あたしたち、どうしてこーやってこそこそ隠れてるんですか? 部長」
謎の女 「面白い事は見逃したくないし、かといって巻き添えは食いたくないでしょ」
あたし 「そ、そうですか……」
   
兄ぃ 「むっ! 匂う。匂うぞ! 妹臭だ! 」
あたし 「い、妹臭……って」
謎の女 「確かに、ちょっとやな表現ではあるわね」
兄ぃ 「おい、そこの貴様! 」
「え、ボクですか? 」
兄ぃ 「そう、貴様だ。貴様、妹萌えだな」
「い、妹萌えって何の事ですか? 変な言い掛かりつけないで下さい」
兄ぃ 「ほお、では、その買い物袋の中身は何ですかな? ○○電気の、そふと売場から出ていらっしゃったようですが」
「……こ、こんぴゅーたーげーむですよ」
兄ぃ 「何の? 」
「し、しみゅれーしょんげーむですよ! 乗り物を自分の好みに調整してくやつですよ! いいじゃないですか! 」
兄ぃ 「ていっ! 」
「あっ」
    奪う
兄ぃ 「ほほう、
『 可奈子 〜妹〜 』
『 はじめてのお宿題 』
『 ふたりでできるもん 』

ですか。」
兄ぃ 「ふっ、確かに『 乗り物を 』『 自分好みに調整していく 』げーむですな」
    くすっ
あたし 「嫌ーーっ! やらしー! やらしー言い方! 」
「い、いいじゃないですか、妹萌えくらい! 誰にも迷惑掛けてないんだし」
兄ぃ 「誰にも迷惑掛けてないだと〜〜? 政府の犬め、ていっ! 」
    ひゅーん、ぼちゃん。
「あーーーっ! 酷い! 川に捨てるなんて! 」
兄ぃ 「全国の兄と地球に対して、己が犯した罪を詫びるのだ」
「酷すぎるーーーー」
    わあああああん。 泣きながら走り去る。
あたし 「……め、めちゃくちゃやってますね」
謎の女 「まだまだよ。次の犠牲者が来たようだわ」
   
妹萌A 「やっぱり妹はいいよね〜〜、可愛くて従順で」
妹萌B 「妹萌え最高〜〜〜」
兄ぃ 「ほほう、妹は、可愛くて従順ですか? 」
妹萌A 「な、なんだよ? 」
兄ぃ 「そう言い切れるという事は、お二人とも、兄なんでしょうね?」
妹萌B 「な、何が言いたいんだよ? 」
兄ぃ 「現実の妹がいるのでしょうね? ぱそこんの中なんかじゃなく」
妹萌A 「……う、うう」
妹萌B 「……くくっ」
兄ぃ 「いるんでしょうね? 」
妹萌A 「い、いいじゃないか、ぱそこんの中の妹だって! 」
妹萌B 「生身かどうかなんて、本物の妹萌えには関係ないんだよ! 」
兄ぃ 「ほほう、本物の妹萌えでいらっしゃいますか、あなた方は」
    きらりーーーーん!
兄ぃ 「それでは是非、本物の妹萌えのお手本を見せて頂きましょうか」
    すっ。
兄ぃ 「どうぞ萌えて見せて下さい。………ご存分に! 」
妹萌A 「ん? 何だ、この写真……… !!」
妹萌B 「何だ? どうした……… !!!」
兄ぃ 「おや、どうしました? さあ、見せて下さいよ。本物の妹萌えを」
妹萌A 「こ……これは……一体? 」
兄ぃ 「見ての通り、ジャイ子ですよ。かのジャイアンの  です。勿論、ジャイ子にだって萌えられますよねえ、本物の妹萌えならば」
妹萌A 「……う……ううう……、ジャ、ジャイ子……萌え…〜…」
妹萌B 「……あ、荒々しさと我が儘さが……萌え……る訳ないだろ!! 」
兄ぃ 「ほおお、萌えられませんか? 」
妹萌A 「当たり前だろ!! 」
妹萌B 「何が悲しくてジャイ子なんぞに萌えにゃあならんのだ!! 」
兄ぃ 「詰まりお二人は、 であるジャイ子に萌えられないと。くすっ、それのどこが『本物の妹萌え』ですかな? 」
妹萌A 「うっ」
妹萌B 「くくっ」
    うわあああああああああん。 泣きながら去って行く。
兄ぃ 「愚か者め! 妹が可愛くて従順だなどと、世迷い言をほざくからだ」
あたし 「……なんか、ああいう言い方されちゃうと、あたしが可愛くなくて反抗的みたいに聞こえるんですけど……」
謎の女 「多分、考え過ぎよ」
   
    ぱちぱちぱちぱち。
男たち 「いやあ、素晴らしい」
男たち 「本当の妹を持った事もないのに、兄気取りで妹萌えなどと称する輩への正義の鉄槌。いやあ、久々に溜飲を下げさせて頂きました」
あたし 「なんか、また変なのが出て来ましたけど……」
男たち 「お見受けした所、あなたも、妹萌えの危険性を看破しているお一人のようでいらっしゃる」
兄ぃ 「仰る通りです。妹萌えの氾濫によって絶滅の危機に瀕している兄たちを、何としても救わなければなりません」
男たち 「その通りです。しかも急がねばなりません。少子化問題により、タイムリミットは更に縮まろうとしているのです」
兄ぃ 「むっ! 確かにその通りだ。そもそも妹萌えの発祥は、少子化により現実の妹を知らぬ者が増えたせいだが。こうもインモラルな妹萌えが流行しているとなると……」
男たち 「はい。18禁媒体のせいで性犯罪が起きるなどという、例のバカげた理屈を真に受けた親たちが、そんな事件の当事者になっては大変と、大挙して『 産み控え 』に走るのは目に見えており、そうなれば、ますます少子化に歯止めが効かなくなり、かの悪名高い一人っ子政策よりも悲惨な結果を招くでしょう」
兄ぃ 「成る程、犯人は現場に戻るの法則ですな」
あたし 「………あれって、そういう意味でしたっけ……?」
謎の女 「まーこの際、そういう事にしときましょう」
兄ぃ 「所で、あなた方は? 」
男たち 「申し遅れました。私たちは『 妹萌え男撲滅委員会 』 通称 『 やれいもあBS 』 の者です」
   
    開いた口が塞がらない、あたし………。
   
あたし 「……書き込みに泣くほど尊敬してる恩人に、そこまでする? ふつー」
謎の女 「まあ、普通の感覚でない事だけは確かね」
あたし 「非道いよ! 見損なったよ、兄ぃ!! 」
兄ぃ 「むっ、妹よ。何故ここに? 」
あたし 「何故ここにじゃないよ! 後足で砂掛けるよーな恩知らずなまねして! 兄ぃが、そんな人だったとは思わなかったよ! 」
   
    俯いて
兄ぃ 「……俺だって、俺だって本当はやりたくなんかなかったさ。でも、思い付いちまったんだ。仕方ないじゃないか」
兄ぃ 「どんなに身を削るほど辛くても、思い付いちまったギャグは飛ばさなけりゃならない! それが、ギャグに生きる者の業なんだよ!! 」
    びたっ!! ( 土下座 )
兄ぃ 「申し訳ありません! お叱りは重々覚悟の上で! 例え、サイト出入り禁止とされましょうとも、甘んじてお受けする所存であります!! 」
あたし 「あ、兄ぃ、そこまで命懸けでまでして、ギャグを……( ほろり )」
兄ぃ 「という訳で、もし俺が出入り禁止になったら、お前、毎週閲覧して、ハードディスクに保存しといてくれよな」
あたし 「 は? 」
兄ぃ 「俺、オフラインでそれ見るから」
あたし 「 !!! 」
    ひいいいーーーーーーーーーっ!!
あたし 「確信犯的!! 悪い! 兄ぃってほんっとに悪いっ!! 信じらんないーーっ! 」
兄ぃ 「何だよ! お前だって、『 猿 』なしじゃ生きてけないだろが。俺だっておんなじなんだよ! 」
あたし 「それでも、やっていい事と悪い事があるわよーーーーっ!! 」
   
男たち 「……あの〜〜〜、先に進んでもいいでしょうか? 」
男たち 「念の為に解説させて頂きますと、私たち、一日も早く妹萌えを根絶したいとの願いから、『 妹萌え男撲滅、もっと( more )やれい、兄弟たち( BrotherS )』 という意味を込めて名付けた次第で、決して、某名作サイト様をネタに駄洒落やギャグを飛ばそうといった意図はありません」
   
    いや、確かに、あなた方にはないんでしょうけど……。

ごめんなさい、続きます。