かってに兄ぃ


不公平 感じませんか?




兄ぃ 「神様は不公平ですよ!! 」
あたし 「な、何なの? いきなり」
   
    不公平 感じませんか?
   
兄ぃ 「妹萌えだか何だか知りませんけど、とにかく世間様は、妹に甘過ぎます! 」
兄ぃ 「同じ親から生まれたというのに、兄というだけで、どうしてそんなに差別されなきゃならないんですか!? ボクなんか、『 かってに改造 』路線に備えてオープニングの台詞も考え抜いて、昨日からずっと待機しているというのに、妹が画面に出た途端、こうやって別ウィンドウでの待機扱いですよ! 」
   
 
      不公平 感じませんか?
   
 
兄ぃ 「とにかく、妹という生き物は、不当に優遇され過ぎてるんですよ! お兄ちゃんなんだから我慢しなさい。お兄ちゃんなんだから面倒見てやりなさい。」
兄ぃ 「妹は兄のお下がりを着られるのに、兄が妹のお下がりを着たら、たちまち変態扱いじゃないですか」
あたし 「えっと、だって変態だし、その場合そもそも、お下がりじゃないし」
兄ぃ 「何か失敗した時だってそうです。両手ぐーで口元に揃えて、上目遣いで『 あの、ごめんなさい 』って言いさえすれば、妹だというだけで何もかも許されるんです。
ボクがやったら『 なめとんのか、ボケ! 』って殴られましたよ! 」
あたし 「そ、それは無理もないんじゃ……」
兄ぃ 「今度の事だってそうですよ。本来なら、雨の日も風の日もこちらから何度も出向いて三拝九拝、諸葛孔明や島左近レベルの三顧の礼をお尽くしして然るべき、べる様からのリンクだなんて。いくら妹が優遇されるご時世だからって、あんまりですよ。七夕でもないのに棚ぼたですよ」
謎の女 「なるほど、何が言いたいのか段々判って来たわね」
兄ぃ 「はっ! 博士。どうしてこんな所に? 」
謎の女 「改造君おちょくらなきゃいけないサンデーの発売日まで、まだ間があるからね。それまで、暇潰しにお兄さんでもおちょ……、いえ、そんな事よりも、それは妹だからというよりは、ひとえに、べる様のご寛大さによるものじゃないかしら? 」
兄ぃ 「じゃあ、ボクが自分でサイトを作っていれば、べる様に御手を差し伸べて頂けたのは、ボクだったかもしれないじゃないですか。ああーー! 引きこもりで内気な妹に、せめてもの楽しみにサイト持たせてやろうなんて、考えるんじゃなかったあああ! 」
あたし 「あたし、引きこもりじゃないわよ。……そりゃ内気だけどさ」
兄ぃ 「はあ、はあ……、これで、はっきりしました。やっぱり、妹は不当に優遇され過ぎています。これは、不自然です。大変危険な事ですよ」
あたし 「危険……なのかな? 」
兄ぃ 「危険だ。地球の生態系のバランスを、修復不可能なまでに破壊してしまうほどに危険極まりない事態なのだ」
あたし 「そんな……、考え過ぎだって、兄ぃ」
兄ぃ 「甘い! 浅はかな考えで特定の種を保護したが為に却って生態系が崩れ、多くの種が絶滅した例は、枚挙に暇がないのだ! 」
謎の女 「まあ、確かにそれは事実ではあるわね」
兄ぃ 「このままでは、世の兄という兄は、妹という種の異常増殖によって10年と待たずに絶滅させられてしまいますよ! 」
あたし 「そんなお馬鹿な……」
兄ぃ 「事実だ! 妹の異常増殖は、既に日本中で進行しているのだ」
兄ぃ 「例えば、このような事実があるのです!! 」
   
  ● 恋人と同じ名前の My Devile な妹
  ● フーテンの兄を持った為に、全国民から愛された妹
  ● 恋愛ゲームの攻略対象のうち一人は必ず妹
  ● 某 祥子様にべったりの某 妹
  ● 12人がかりで兄の時間を奪い尽くす妹たち
  ● 小野妹子
   
兄ぃ 「なんと既にここまで、日本は妹に蝕まれていたのです」
あたし 「兄ぃ、最後の小野妹子って、関係ないんじゃ……」
兄ぃ 「何を言う。小野妹子こそ、学生のうちから妹萌えを意識に刷り込む為の文部省の陰謀なのだ! 」
あたし 「陰謀って……」
謎の女 「陰謀だったんだ」
兄ぃ 「その通り、陰謀ですよ。小野兄子が試験に出た事がありますか!? 」
あたし 「小野兄子、って……そんな人いたの? 」
兄ぃ 「いなかったと何故言い切れる? 」
兄ぃ 「古来より、時の為政者が、自分に都合の悪い人物を歴史から抹殺するのが常套手段だったのは、良く知られた事実なのです。」
謎の女 「確かに、そうだったわね」
兄ぃ 「ならば、もはや答えは明白です。教育現場に於ける、小野妹子のここまでの浸透。そして、小野兄子の歴史からの抹殺。これは明らかに、妹萌えを国民意識に刷り込み、兄という種を絶滅に追いやらんとする国家的陰謀以外にあり得ませんよ! 」
あたし 「国家的って……」
兄ぃ 「恐ろしい事です。今のうちに生態系を正さなければ、兄は地球は滅んでしまうのです」
あたし 「また大袈裟な……」
兄ぃ 「大袈裟ではない! 今こそ兄は、全てを賭けて地球を救わねばならないのだ! 」
兄ぃ 「名付けて、24時間てれび
『 兄は地球を救う!! 』
あたし 「………」
謎の女 「………」
兄ぃ 「……こ、こほん」
謎の女 「言ってから、はずした事に気付いたみたいね」
あたし 「………(^^; 」
兄ぃ 「という訳で、世直しの為、諸悪の根源である『 妹萌え 』を根絶しに行って来ます」

ごめんなさい、続きます。