クレイモア

屑男 撲滅抹殺委員会!

−前へ歩く−

ガン、ガン、ガン、

0


ダン

 貴時の改造拳銃はゴム弾に変えてある。 殺傷能力こそ無いが、直撃すれば骨ぐらいは持っていける。 そして何より、鉛弾に比べゴム弾は軽く、初速に優れているというトカレフ銃と同じ利点があった。


「その弾丸を避けながら、なお且つ間合いを詰めて来るなんてな。 エデンの父親でも出来なかったぜ。」

ギュウ

「!」

 距離を詰めた『黒い瞳』の本体が、そのまま攻撃して来ると思っていた貴時は、完全に虚を突かれた。 しかし、悪霊達は貴時に取り着く前に、その動きを止めた。

  まるで見えない壁に阻まれたかのように。

「どうやら、役に立ったようだな。」

 ニヤリと笑ってそう呟いた貴時自身も半信半疑だったらしく、その言葉には若干安堵の色が含まれていた。

 本体を初め、薄らぼけた悪霊達の視線が、貴時の上着のポケットに注がれた。

 現在、貴時のポケットの中には、沢山の”御札”が仕込まれている。

 実は数日前、貴時は近くの神社に忍び込み、建物に貼ってあった”御札”を、片っ端から剥いで持って帰ったのである。

 御札は沢山の種類があり、何の用途で使われる物なのか全然解らなかったが、どうやら、その中のどれかが、悪霊に対し有効だったらしい。

 悪霊には有効でも、生身である『黒い瞳』本体は別。

 それを証明するかのように、『黒い瞳』が動き出した。 しかし、行動の開始は貴時の方が速かった。

 踏み出す前の『黒い瞳』の鼻面に、小瓶のような物を投げつけた。

「!!」

 マグネシウムと酸素を使った発光弾。

 これも手作りなので、さして強い光を発せられるものでは無いが、薄暗い部屋に慣らされた眼には相当効いたようだ。

ドウン

「!」


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