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第一陣とも言うべき、エデンマルキーニ操る沢山の屍達。
しかし、それ等全員、あたかも敷き詰められた絨毯のように、腹や背中を晒して廊下を埋め尽くした。
ある者は全身の間接を砕かれ、ある者は輪切りにらされ、ある者は黒焦げにされた。
そして、正に累々と屍を晒すはめになった訳だが、 『元々、これこそが死体の本来あるべき姿なのだ。』 動かなくなった死体を見ながら、高森夕矢は、自分にそう言い聞かせた。
荒くなった呼吸を整えながら、前方にいる朱吏陽紅を見る。
彼一人で死体の群れの八割を、それも瞬時に片づけてしまった。
「殺しはしない。 しかし、戦いが終わるまでは眠っててもらうぞ?」
『多勢に無勢』、屍の群れを相手にした、数多の敵が誰しも思った言葉。
しかし、所詮は、力しか誇るもののないノロマな相手。 朱吏陽紅が動いた途端、屍達との勝負は決した。
マルキーニとて、圧倒的な実力を見せた朱吏陽紅の力が解らないはずはない。
解らないはずはないのだが、
「...あれー? もしかして、私達に勝てるとか思ってる?」