”気功法” 生命エネルギーを自在に使い、体だけでなく、髪の毛や、手に持った布までも硬質化させるという、肉体と精神を完全に融合させた、最高の格闘法である。
京次は、まったく専門外の戦法だが、それが、どの様な物かは、あまりに有名なので知っている。 しかし、その目で本物の気功法を見るのは、初めてだった。
体の一部を硬質化すると聞いていた気功法。 しかし、竜王は、体の全てを硬質化させていた。
拳や胸板は当然として、本来なら弱点と思われる目や、口の中等も、おそらく硬質化していることだろう。
その拳は、この世の全ての物体を撃ち抜き、その体は、全ての攻撃を跳ね返す。
拳と体のどちらかに、気功を大きく使う事で、最強の拳と、最強の鎧を使い分ける。 矛盾という言葉の意味を、完全否定する力を備えているのだ。
雀将とは器の違う相手だと認識したのか、京次はその場から動こうとしない。
勿論、最強装備の竜王の方から、攻めて行く必要などありはしないのだが、しかし、重い鎧の負荷から開放された体は、どんな生物よりも速く動けるという自信がある。