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クレイモア

屑男 撲滅抹殺委員会!

−前へ歩く−

「解っていると思いますが、雪之絵の女が、鳳仙の操る陸刀の戦士に勝ったことは、歴史上一度もありません。」

「まして、加渓は史上最強の戦士。あなたごときでは、かすり傷一つつけられないでしょう。」

「ですが、私は、アケミさんからあなたを殺せとは命じられていません。 ですから、このまま大人しくしていて下さい。」

「...何故、今までお前達が命の側にいるを、私が許していたか解る?」

「鳳仙の連中が、命に手を出したら、見せしめの為に何時でも殺せるようによ。」

「身の程を知れ。このガキども!!」

 カズ子は、左手首に巻かれた、小さな腕時計に視線をやる。

 アケミから、雪之絵真紀を足止めして欲しいと言われた時間は、たった五分程。 その間、防御に徹して時間を稼げと命令されている。

『加渓は確かに強いわ。でもね、桐子あなたは戦いの素人。いわば、免許取りたてのドライバーが、いきなりF1に乗るような物よ。』

『だから、今はまだ、雪之絵真紀と真正面から戦っては駄目。時間を稼いだら、直ぐに戦線を離脱なさい。』

 ここに向う前に、アケミが真顔でそう言っていたのを思い出す。

 アケミは、まだ自分達の力を信頼していない。 カズ子はそれが気に入らない。

 先ほどカズ子が言ったように、今まで、子供を産んだ後の雪之絵の女達は、ただ一つ『黒い瞳』の例外を除き、鳳仙の操る陸刀の戦士に殺されて来たのだ。

 陸刀家史上最強の加渓。 雪之絵はおろか、この世の生物の頂点に立っていると、カズ子は信じている。

「いいでしょう。 私と加渓が世界で一番強い事を、ここで証明して見せましょう。」

クレイモア

屑男 撲滅抹殺委員会!

最終話

−前へ歩く−

(その四)


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