「...これ以上はする気分じゃない?」
「すまん。」
流石にショックだったらしい京次が頭をたれると、詩女はくすくす笑いながら、見せるように股を開いた。
「私はいいわ。 もう存分に貰ったしね。」
そう言う詩女の股間は、愛液と共に京次の精液で溢れている。 量的に、一回や二回の射精ではこうはならない。
先ほども、二人絶頂を迎えて落ち着いけたので、命の存在に気付いてしまったのである。
「二人目、出来るといいな...て、京次まだ全然元気じゃない?」
詩女の言う通り、京次の肉棒は、この期におよんでも、しっかりそそり立っていた。
「そりゃ、インポじゃないからな。 しかし気分が邪魔して、どんな刺激与えてもイかないと思うぞ?」
「そっか。でもまあ今日は、あの女の娘(命の事)も京次に合わす顔ないでしょうし、京次も大人しく私と一緒にいなさい?」
「そうだな、正直、時間が欲しいな。」
京次は、そう言いながらも、命との今までの関係は、もう修復できない気がしていた。
仲直りはしたいし、するつもりだが、今まで通りの関係には戻れない、と。
「でもまあ、時期的には良かったのかな。」
もうすぐ、京次は最後の戦いに望む。 その戦いが終われば、命は雪之絵真紀の元へ戻すつもりでいる。 今なら、仮に命を傷つけたとしても、その傷は雪之絵真紀が癒してくれるだろう。
京次が、本格的に迫る命との離れにしんみりしていると、それに全然構わず、詩女が股間の肉棒に手を掛けた。
「お、おい?」 京次は我に帰って声を上げた。
詩女の膣を突いていた京次の肉棒は、自分のザーメンと詩女の愛液でドロドロになっている。
前後に頭を数回動かすだけで、唾液と精液と愛液の三種類が混ざり合った液体が、口の両端から泡を立てて流れ落ちて行く。
「詩女、ヘンな事聞くが、どんな味がするんだ?」
「凄く不味いわよ? 京次、私の今のおまんこを舐めてみれば解るわ?」
「...いや、それはちょっと。」
「京次と私の愛し合った証よ? 何で嫌なの?」
もっともらしい事を言う詩女だが、その顔は笑っていた。 何時もエッチでは、その技術によって京次に翻弄される詩女である。 少し意地悪してみたくなったのだろう。
会話しながら手でしごいていたイチモツを、詩女は再び口で咥え込む。
「うっ、」 京次から喘ぎ声がもれた。
詩女のフェラチオは、予想に反して気持ち良い。
技術的には、雪之絵真紀やアケミに大きく水を開けられているのだが、詩女の舌はやたらと柔らかいのである。 初めてディープキスをした時、詩女の唇は三枚あると思ったぐらいだ。
その為、キスに関しては、アケミよりも雪之絵真紀よりも、詩女とするのが好きだった。
「詩女...」
京次は、詩女の頬に優しく手を当てる。
キスを催促していると理解した詩女は、京次の肉棒から口を離し、ゴクリと喉を鳴らして何かを飲み込んだ。
口の中の、唾液と精液と愛液の混合した体液を飲み込んだのだろう。 キスをしたがっている京次に、少しでも嫌な思いをしてもらいたくないとの詩女の配慮である。
京次を苛め、イカせようとする雪之絵や、京次に色々な手を尽し、勝利の為にイカせようとするアケミには見られない心遣いだ。
ちょっとした事なのだが、それが京次は嬉しい。
見つめ合った京次と詩女は、まったく同時に動き出し、お互い顔を近づける。 そして途中、目を完全につむったにも関わらず、引き合う磁石のように唇と唇が重なり合った。
お互いがお互いの舌を求め合い絡ませる。 そうしながら、詩女は自分の腰を、京次のそそり立つ肉棒に下ろした。
股間のヒダが捲れ、固い肉棒が埋る。
「京次は動かないでいいからね? たまには私にリードさせて。」
眉をひそめ、股間の刺激に堪えながら、詩女はゆっくり腰を前後に揺らす。 ペニスへの刺激は勿論、くねくねと腰を振る様は、見るだけでも興奮出来た。
「詩女もしかして、命の事で落ち込んでいる俺に、気を使ってるか?」
「馬鹿。たとえ気が付いても、そんな事は言わないの。 つまらなくなるでしょ?」
そう言いながらも、京次が自分の気持ちを理解した事を嬉しく思った詩女は、笑顔で再び唇を吸う。
つくづく、京次は詩女に甘えて生きていると、自分自身思う。
「詩女、やっぱり俺が動く。」
京次は、股間を結合させたまま、畳の上に詩女を押し倒した。
「...畳、しばらく匂い取れないだろうな。」
「何を今更。」
『確かに、』そう思いつつ京次は腰を動かす。
鍛えぬいた筋肉を持つ者しか行えない激しいピストン運動。
「あん、ああっ、はあっやあっ、はあ!」
京次は自分のテンポで、腰を突く。
「くっ、」
京次が、うめきながら一段と腰を打ち付けた時、その衝撃で詩女は目を開けた。
「はぁ?」
その瞬間、詩女は膣の中のモノが脈打つのを感じた。 今まで飽きるほど経験した、京次の精放出の瞬間。
「ああっ、珍しく早い。」
「悪いな。」
「まあ、いいけど。充分堪能した後だから。」
どく、どく、どく、と、等間隔で放出する精液が膣壁に当たるのを感じる。
しばらくして脈打っていた肉棒も収まり、普段の大きさに縮こまる。 それも、膣壁で感じた。
「今度こそ、終わった?」
「そうだな。」
離れようとした京次の体を、詩女が抱きしめ引き寄せる。
「今日はこのまま寝ましょう? 抱きしめ合っていれば風邪もひかないでしょ。」
それもいいかと思った京次は、膣に縮こまったペニスを入れたまま自分も詩女を抱きしめかえした。
マ
マ
「京次、ヘンな事聞いていい?」
命が気になり、浮かない顔をしている京次に気が付いたのか、詩女が静かに声を掛けた。
「...何だ?」
「京次、あの女の娘(命の事)と、仲直りするんでしょ?」
「ああ...? そうしたいと思っているんだがな。」
それを聞いた詩女の表情が何やら複雑そうに変化する。
「京次、きっとあなたは辛い思いをするから、覚悟しておいた方がいいわ。」
訳が分からず首を捻る京次に、詩女は神妙な面持ちでこう告げた。
意味が解らず、ぼんやりと詩女の顔を見つめる京次。
あの娘と言うのが命の事であると、やっと理解した京次は思わず顔がほころぶ。
「おいおい、それは無いだろう? 命は、俺にメチャクチャ懐いているんだぜ? 」
「そうね、それは認めるわ。 でも怨まれてる。」
京次は一応考えてみる。自分が、あの命に怨まれる理由。
「先ほど、詩女と抱き合っている姿を見られたから?」
詩女は頭を振った。
「異性として俺を見ている命の気持ちを、俺が無視し続けたから?」
少し考えて、それにも頭を振った。
命が、父親である自分に恋をしているのは知っていた。 それを今まで気が付かないフリしていたのだが。 それを命は、よく思っていないはずである。
しかし、詩女の言っているのは、それでは無いらしい。 だとすると、もう京次に思い当たるフシはない。
「だったら、やっぱりありえないな。お前の考えすぎだろ?」
嘲笑を浮かべる京次を見た詩女は、京次の耳元に口を寄た。
「あなた、貴時とあの女の娘(命の事)が、昔から仲が良いのは知ってるわよね。」
それは、京次も知っている。 過去に詩女から、頭の良い貴時が、命の通う中学に入学したいと言っていると聞いた事もある。
一応、姉弟だからと勝手に納得していた。