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『全員、エデンの母親よりも強い』 それは無知故の台詞ではあった。 しかし、全てがそうだとは言えない。
おさげの子供、鈴印栄(りんいんえい)は中国拳法。その後ろの大男コントレラスはムエタイ扱うので、二人共侮れないのだが、しかし何より、もう一人の黒い女。
しかし、この女、鼓四季は鳳仙圭の用意した”切り札”の中に含まれていない。
だがそれは、元々、女を男の道具としか考えていない鳳仙圭が、鼓四季を軽視したからであって、決して竜王や雀将に劣る訳では無かった。
もし、エデン母に、鼓四季と相対した経験があったとしたら、彼女の強敵ランキングの四位は竜王では無く、鼓四季になっていた事だろう。
「僕達のような生業をしている者達の中で、実しやかに囁かれてはいたんですけどね。」
「日本国では珍しい殺し屋組織の陸刀と、長年戦っているのが『赤い瞳』であると知られて、ちょっとした騒ぎになってるんですよ。」
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そう言った後、鈴印栄とコントレラスは、床を蹴り走り出す。
しかし、当の雪之絵真紀の視線は、この二人に向かなかった。
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「ガッカリさせないでね。」