「貴時君!!」
「あの女の子を撃つ理由が、どこにあると言うんです!!」
「......」
「あ、あれ?」
着弾と同時に、やけに大量に吹き出した赤い液体。 しかし高森夕矢は、まったく痛みを感じなかった。
胸元を触ってみると、傷はおろか服さえも破れてはいない。
「...青い銃はペイント弾入り。 銃も弾も少し改造してあるが、これじゃ人は殺せねーよ。」
呆然とした高森の阿呆面が、貴時の目に移る。
殺しても、殺さなくても、どちらにしても非難されているようで、流石の貴時も気分が悪い。
「何だ? まだ何か気に入らないのか?」
「あ、いえ、そんな事はありませんが...でも、何故?」
「......」