命は、タケ子の様子を観察しながら、胸を揉み解す。 丹念に解きほぐされたオッパイは、触り始めよりも弛み、腫れて大きくなっているようだ。
しかし、 股間を責めようと思えば幾らでも責められるのに、命はそれをしない。 胸も、一番感じる先端の赤い部分をワザと外して愛撫している。
微妙に性感帯を外しながら、タケ子の胸を弄り続ける。
「み、命、じらさないで...」
ここまで来て蛇の生殺し状態を続ける命に、タケ子が不満の声を漏らした。
「いいじゃない、時間はたっぷりあるんだし。」
「そ、それじゃあ、今度は私にさせてよ。 私結構上手なの知ってるでしょ?」
命に警戒されないように、切ないのを我慢して笑顔でそう告げるタケ子。
元来、タケ子がここに来た理由は、命を虜にする為だ。 手錠をはめられて責められ続けていては、目的は達せられない。
愛撫を受けるのは気持ち良いのだが、それを感じるのは、命を自分の物にした後でも遅くはない。 命の言うように、時間はたっぷり残されているのだ。
「ねぇ、タケ子?」
「ん?」
「!!」
意外な命の一言に、タケ子の顔が青ざめる。
タケ子が女の子に人気があるのは、うちわでは有名だ。 加えて、女の子同士で遊ぶ大人のオモチャを、ここに持って来てしまった。
タケ子の手慣れた愛撫がどうやって培われたのか、これだけ揃えば、阿呆でも解る。
「タケ子、本当の事言ってね? もし嘘を付いたら、タケ子の事、嫌いになっちゃうよ?」
幾分目を細めての、命の言葉。
タケ子は、寝ていると言うのに血の気が下がるのを感じた。
先ほどまでの命の発言が、本気なのか悪ふざけなのか解らなかったが、今の命が本気なのは心底よく解る。
「ろ、六人ぐらい...ええ、六人...」
「ふーん、」
「ここ、私以外にも、六人が触ったんだ。
「待ってよっ!私は、して上げた方だから!それに私は本当はしたくなかったの! 命とするのとは違う!」
タケ子は必死である。 折角ここまで来た命との仲を、火遊び程度の行為で壊したくは無い。
「それじゃ、嫌々したのならキスはしてないよね?」
「命、ちょっと待ってよ。 そりゃエッチな事すれば、流れで自然にしてしまうものじゃない?」
思わず浮かべた愛想笑い。 しかしこの時、命の表情は完全に冷めた。
「!!」
「タケ子、エッチしたいならその六人としなよ。 私は降りるから。」
「命! ゴメン!お願いだから待って!?」
「別に謝らなくてもいいよ? タケ子の事”友達として”大好きなの変わらないし。」
背を向けながら言ったその言葉は、決定的である。
命が嫉妬で怒っているのなら、まだ脈はある。 しかし、今の命は見るからに冷めきっていた。
何が冷めたのかは、タケ子に対する態度からも解ろうというもの。 途端にタケ子の両目から涙が溢れ出した。
「待ってよぉ! 私、今更、友達になんて戻れないよ。 だから他の娘達とは、しかたなかったんだってばぁ。 円満に寮生活する為には、したくなくてもしなきゃならない事ってあるのよっ。」
起き上がったタケ子が、顔をグシャグシャにしながら、命に体を寄せる。 この取り乱し方は、先ほど命の自慰行為を見せ付けられた時の比ではない。
タケ子は気が強いで通っているが、実はただ単に感情が豊かなだけだ。
喜怒哀楽が激しいので、直ぐに頭に血が登るが、その分悲しい時は人前でも平気で泣ける。 学校で、進入者の太郎に辱められた時もそうだったが、意にそぐわぬ出来事があった場合、怒るか泣くかの二つに一つだ。
しかし、長い付き合いの命も、タケ子がここまでボロボロになった姿は初めて見た。
「命ぉ、許してよぉ。 何でもするから許してよぉ...」
タケ子からは見えない場所で一瞬笑みを浮かべた命は、表情を引き締めた後、泣き腫らすタケ子に向き直した。
「何でもするとか言われても、私、土下座とかされても嬉しくないよ?」
「......」
それを聞いたタケ子は、いきなり身を屈めて命の足元にひれ伏す。
「だから、土下座とかされても...」
言いかけた命の言葉が途中で止まる。
ぺちゃ、びちゃ、ちゅ、