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クレイモア

屑男 撲滅抹殺委員会!

−前へ歩く−

 生き物の様に動き、敵を攻撃するエデン母の弁髪。

 皆月京次は、それを知っている。

 相手を幻惑し、隙を突くのがエデン母の戦法。

 しかし、弁髪が京次の虚を突けないと解っているエデン母の行動は早い。

 

 以前の戦いでは、弁髪に含まれた油が燃えるとその灰は催涙ガスになったが、今回のように狭い場所では、自分にも害が及ぶ為にそれは無い。

 予想していたのか、皆月京次に慌てる様子はなかった。

「でもねっ、前よりも遥かに大きな炎が、あなたの周りを包みますわよ!!」

 エデン母の言葉通り、爆発に匹敵する勢いで炎は一気に燃え上がり、筒を形取って京次の体を包み込んだ。

 弁髪には、本当に火薬が仕込まれていたのかも知れない。炎の筒は天井までも届いている。

 それを見ていた鳳仙圭の顔が青ざめる。 いかに燃えない薬品を屋敷の材木に染み込ませているとはいえ、耐久力を超えれば流石に燃える。

「まあ、この程度であなたを倒せるなんて、思ってはいませんわ。」

「でも、果たして、どうやって逃れるかは見物...」

ドン

「!!」

「踏みつけただけで!?」

 皆月京次が、無人の野を歩くがごとく一歩踏み出しただけで、業火は、まるで自ら門を開くように真っ二つに別れた。

「...ちっ!」

 流石に一瞬怯んだエデン母だが、すぐに立ち直り、次の行動に移る。

 真っ直ぐに攻め込まず、京次の左側へと回り込んだ。

 京次が左手を故障している事は知っている。

 

 小指を失った左手は、その攻撃力も元の半分にまで落ち込んでいる筈だ。

 仮に左拳の攻撃を食らったとしても、雪之絵真紀の蹴りをも受け流したエデン母の柔らかい体は、致命的なダメージを受けないとの自信があった。

 しかし、だからと言って無策で攻め込むような愚かなマネはしない。


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