鳳仙屋敷の廊下はやたらと長い。 その上、薄暗い為に行きつく先が見えず、なおかつ同じ形の扉が壁に延々と続いていた。
まるで無限回廊を歩いている気分である。
雪之絵真紀は今まで通り、部屋の扉が横に来た時にその扉を蹴破った。 当然、娘の命を探す為であり、廊下を逆方向に歩いて行った皆月京次も、同じ事を行っているはずである。
流石に、屋敷一階の玄関に近い場所に命の姿は無い。
これも今まで通り、特に落胆する様子もなく先を進もうとした雪之絵だったが、ある事に気が付いて、覗いた部屋の中に視線を釘付けにされた。
これまでは、鳳仙圭の顔が映っていた監視カメラ代わりのテレビ画面。