り
ある年のクリスマス、
「あ...」
年に一度のクリスマス。
小さな女の子の喜ぶプレゼントなど俺にはさっぱりだ。 よって、命自身に選んでもらおうと、カップルや家族で賑わう大きな商店街に連れて来た。
早速、気になる物を見つけたらしい。
ん?
でかくて不細工な熊のヌイグルミを見ながら呆然としていると、何時の間にか、命が俺の顔を見つめていた。
そして「にこー」と笑ったかと思うと、不細工な熊のヌイグルミの横に置いてある、小さなウサギのヌイグルミを指差した。
「パパ、私、これが欲しい。」