クレイモア 

プロローグ

ーーちんこ、まんこ、ちんこ、まんこ、ちんこ、まんこ、ちんこ。

歌が聞こえる。

歌っているのは、僕の上で動いている女の子。

笑顔で、焦点があっているとは思えない目で僕を見ながら

ーーちんこ、まんこ、ちんこ、まんこ、ちんこ、まんこ。

縛られて、何も着ていない僕の上で、歌を歌いながら体を上下に動かしている。

ーー気持ちいいでしょ?気持ちいいよね。

たまに歌の切れ端に挟まれるその声、僕は泣きながら頷くしかなかった。そうしないと、もっとヒドイ事をされるから。

生爪剥がされて、痛くて何も掴めなくなった手を宙に浮かしながら、僕は女の子を見上げて泣いている。

お尻の穴に、プラモデルの頭を突き刺して、僕は泣いている。

お母さんに買ってもらったプラモデル。 手と足はもう壊れて取れた。

怒っても泣いても、この女の子にはかなわない。僕は泣いて耐えるだけ。

女の子はこの行為を”SEX”と呼んでいる。僕にはよくわからないけど、男と女が必ずする行為らしい。

たしかに、お父さんとお母さんが裸で抱き合っているのを見た事あるけど、でも、ローソクや棒きれなんかは使っていなかった。

この事を女の子に言ったら女の子は「この方が気持ちいい。」と言って僕を殴りつけた。僕は痛いだけ、でも、

ーー気持ちいいでしょ?きもちいいよね。

その声に僕は頷くだけだった。

たしか小学校3年生の頃からだったと思う、普通に遊んでいたはずのこの女の子がこんな風になったのは。理由はわからないけど。

それから6年生の終わり頃までこのイジメは続いたが、僕のお父さんが死んでこの町を離れる事になって終わりを告げる。

でも。

町を離れる僕を、見送りに来た女の子の最後の言葉、

「いつか会いに来てね、でないと....」

俺は、今でも、覚えている。

「....ひどいよ。」


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