「あ、京次さん。実は今、少しまずい事に...」
真顔に戻ったエデン母が、皆月京次に状況説明をしようとしたが、京次は、それを軽く手で制した。
「...いや、薄っすらとだが聞こえていたから大丈夫だ。それより貴時、命は?」
「すまないが、礼は後で改めて言わせてもらうぜ。」
むくりと立ち上がった京次は、そのままおもむろに前に出た。
全ての動作は静かで自然、切羽詰った焦りのようなものは、まったく感じられない。
戦いに赴く前、周りを安心させようとする、京次の心。 貴時が知っている、何時もの皆月京次の姿だ。
「一体、何を...」
そんな中、京次が何をしようとしているのか解らない鳳仙桐子が呟く。