...見誤った。

本来の京次なら、こんな、

本来の京次なら、命にこんな罪を背負わせて、それで良いと思うはずがない。

確かに、ここに来てからの京次は、殺伐としてて乱暴で...

それ故の攻撃力と引き換えに、諸刃の剣の様な危うさがあった。

でも、命が原因なのだから、それは当然...

確かにそれもある。 でも、



京次は、自暴自棄になっていた。

最後の手段を唯一の手段と信じさせる程に。

A

『父親としてのアンタなんか、私は大嫌いよ』

A

嫌われているから、殺されても大丈夫とでも思った? この馬鹿

A

「ママ、だよね? ママだよね?」

A

「ママに、ずっと会いたかったんだよ。 生きているかさえも半信半疑だったんだよ。」

「会えたら、沢山話したい事あったし。 沢山抱きしめて欲しかったし。」

「感動の再会になるはずだったのに、」

「全部ぶち壊しだよ。酷いよ。」

「...まったくよ。最低だわ。」

命を勝手に産んだのは私。

命を勝手に押し付けたのも私。

そのせいで、どれだけ京次に迷惑をかけたか、よく解っている。

今までずっと迷惑をかけて来たと、よく解っている。

「だから私にも一度ぐらい、」

「京次の為に何かさせてくれたって良いじゃない!」

z

z

命を産んでくれて

命を育ててくれて

命を俺に託してくれて

命との生活を守ってくれて...

感謝しているよ、雪之絵。


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