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クレイモア

屑男 撲滅抹殺委員会!

−前へ歩く−

 自律神経とは、内臓などの不随意器官を、無意識にコントロールする為にある神経である。

 簡単に説明すると、手足等を司るのが脊髄神経。 内臓等を司るのが自律神経。そう思ってもらえれば良いだろう。

「そんなマネができるのですか!?」

「エデンの娘のようなチビが、脊髄神経に電気飛ばせるんだ。 その父親なら、もっと難しい事もできるんだろう?...まあ、あの様子なら、近い内に限界は来るんだろうがな。」

 貴時の言う限界とは、もちろん死である。

「朱吏陽紅の、置き土産だな。」

 今見た恐ろしい光景。 しかし、それが逆に、自分達に光明をもたらしたのだと、ここにいる全員が気が付く。

 エデンの父親のベルトまでしか届かなかった朱吏陽紅の攻撃。

 しかし、その攻撃こそが、エデンの父親の弱点を知らしめたのだ。

「あの剥き出しの内蔵こそ、エデンの父親の弱点だ。」

 見た目のおぞましさに怯んでしまったが、元来、肋骨と筋肉で守られているはずの急所が、剥き出しの状態で晒されているのだ。

 それが、たとえ女子供の攻撃だったとしても、一撃が掠るだけでも、致命傷になる。

「ヤツは、朱吏さんをも圧倒したスピードを持っています。 僕達で当てられますか?」

「俺の計算に狂いは無い。」

「ここにいる四人が、同時にヤツの心臓めがけて拳を撃ち込む。 そうすれば...」

「四人中、三人は殺されるが、最後の一人は、ヤツの心臓を打ち抜ける!」

「...他に、方法は無いのでしょうかね?」

「あると思うなら言ってみろ。」

 陸刀ヒットマンの一人、被り物の戦士が、高森を一瞥した。

 しかし、高森とて、自分の身可愛さに臆したのでは決して無い。

「仕方がありませんね。」

「誰が生き残っても、恨み言は無しだ。」

 一度、高森と拳を合わせた事のある皇金は、彼が何を恐れているのかが解った。 しかし、それでも、この作戦以外に道は無いと思うのだ。

「いいえ、誰も犠牲にしてなるものですか!」

「?」

「ヤツに反撃の暇を与える事なく、拳を撃ち込こんでみせます!!」

「先走るなよ!? 全員同時に攻撃しなければ意味無いのだからな!」

「行くぞ!!」


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