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自律神経とは、内臓などの不随意器官を、無意識にコントロールする為にある神経である。
簡単に説明すると、手足等を司るのが脊髄神経。 内臓等を司るのが自律神経。そう思ってもらえれば良いだろう。
「そんなマネができるのですか!?」
「エデンの娘のようなチビが、脊髄神経に電気飛ばせるんだ。 その父親なら、もっと難しい事もできるんだろう?...まあ、あの様子なら、近い内に限界は来るんだろうがな。」
貴時の言う限界とは、もちろん死である。
今見た恐ろしい光景。 しかし、それが逆に、自分達に光明をもたらしたのだと、ここにいる全員が気が付く。
エデンの父親のベルトまでしか届かなかった朱吏陽紅の攻撃。
見た目のおぞましさに怯んでしまったが、元来、肋骨と筋肉で守られているはずの急所が、剥き出しの状態で晒されているのだ。
それが、たとえ女子供の攻撃だったとしても、一撃が掠るだけでも、致命傷になる。
「ヤツは、朱吏さんをも圧倒したスピードを持っています。 僕達で当てられますか?」
「俺の計算に狂いは無い。」
く
「...他に、方法は無いのでしょうかね?」
「あると思うなら言ってみろ。」
陸刀ヒットマンの一人、被り物の戦士が、高森を一瞥した。
しかし、高森とて、自分の身可愛さに臆したのでは決して無い。
「仕方がありませんね。」
「誰が生き残っても、恨み言は無しだ。」
一度、高森と拳を合わせた事のある皇金は、彼が何を恐れているのかが解った。 しかし、それでも、この作戦以外に道は無いと思うのだ。
「いいえ、誰も犠牲にしてなるものですか!」
「?」
「先走るなよ!? 全員同時に攻撃しなければ意味無いのだからな!」