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「こ、この悪魔...」 陸刀アケミの言葉はもっともだが、今更である。
これでまた一人、陸刀のヒットマンが減った。 現在この場には、アケミの後ろに二人ほど陸刀のヒットマンが控えているが、雪之絵真紀の残忍かつ桁外れの戦力に、完全に及び腰になっていた。
この場所にまだ集まって来ていない陸刀のヒットマンを加えても、あと一桁の人数を残すのみ。
実力で雪之絵 真紀を始末するのは、絶対に不可能な事態。
『しかし、サラメロウと小判ザメが、雪之絵 命を拉致して来さえすれば、今の状況は一変する。』 そう希望を持ちながら、今まで陸刀アケミは雪之絵真紀と対峙して来た。
しかし、その希望が絶対に適わないと、命の側に皆月京次が居た時点で決まっていたのは、承知の事実である。
時間を稼ぐ事に全神経を集中している陸刀アケミを、微笑で見つめていた雪之絵真紀が、何かに気が付いて視線を横に動かした。
陸刀アケミがその視線を追って顔を動かすと、そこには今まで待っていた人物の姿があった。