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病院の周りにある森の中で、雪之絵真紀と、アケミを初めとする陸刀のヒットマンの戦いが始まって、どれほどの時間が経過したであろうか。
初め夕焼けであった空も、今や完全な闇に包まれている。 そこそこの時間が経過した証拠。
ここまで来て、ようやく陸刀アケミは自分が重大なミスを犯した事に気が付いた。
陸刀アケミは当初、雪之絵真紀が己が娘の命を守るべく、病院の建物内に雪崩れこむだろうと考えていた。 陸刀のヒットマン総勢三十名を病院の建物を囲むように配置したのは、それを阻む為だ。
雪之絵真紀の力は非常に強力で、個々のヒットマンの力では到底及ばない事は解っている。
その為、陸刀のヒットマンの飼い主である陸刀アケミ本人が雪之絵真紀の足止めを行い、散らばって配置されたヒットマン達を、この場所に全員招集をかけた。
一対一では、陸刀アケミとて、雪之絵真紀の敵ではない事くらいは解っているが、時間稼ぎぐらいなら出来る。
そう考える陸刀アケミを、雪之絵真紀はまともに相手にせず、病院の中に急ぐ素振りも見せなかった。
そして、一人ずつ、一人ずつ、集まって来た陸刀のヒットマンを、確実に殺して行ったのだ。